Synology NASにDDNSを設定してインターネットからアクセスする

Synology NAS 基本

QuickConnect経由で外部から自宅NASにアクセスするのは簡単にできますが、Synologyの転送サーバ経由のアクセスとなるため速度が少し遅くなります。Dynamic Domain Name System(DDNS)を設定してSynologyの転送サーバを介せずに外部からダイレクトにアクセスすることにより本来の回線速度でアクセスできるようになります。

以下の記事で「Synology NAS」とは何かや、基本的な設定方法や活用手段について紹介しています。

参考 Synology NAS 入門

Synology NASの導入とハードウェアの設定、OSであるDSMのインストールについて以下の記事で紹介しました。

参考 SynologyのNAS DS220+購入とセットアップ

ここでは、Synologyが提供するDDNS機能を設定してSynology NASをインターネットからアクセス可能とする手順について紹介します。

前提 本記事でのDSM(OS)バージョンは、Synology DSM 7.0 を用いています。

1.DNSとは

DDNS(Dynamic Domain Name System)について説明する前に、DNS(Domain Name System)について説明します。

DNS(Domain Name System)とは、インターネット上のホスト名や電子メールのアドレスに使われるドメイン名と、IPアドレスとの対応づけを行い、ドメイン名からIPアドレスを取得する(またはその逆を行う)仕組みのことです。

人間がIPアドレスをそのまま記憶することは困難なため、覚えやすいようにmasao-tec.comの様な英数字や日本語を組み合わせたドメイン名を利用します。そのドメインと IPアドレスを対応付けているのがDNS(Domain Name System)です。

Doman Name Systemの仕組み

2.DDNSとは

DDNS(Dynamic Domain Name System)とは、IPアドレスが頻繁に変わるホストに固定的にドメイン名を割り当て、アドレス変更に即座に追随してDNS情報を更新するシステム、また、その仕組みを利用して提供される動的なDNSサービスのことです。

通常のDNS(Domain Name System)ではIPアドレスとドメイン名を固定的に長期間結びつける前提で運用されますが、個人宅でインターネットサービスプロバイダ(ISP)を通じてインターネット接続する場合などには、切断・再接続のたびに事業者側が保有するアドレス群からそのとき空いているものを選んでDHCPなどで自動的に割り当てるため、同じアドレスを固定的に使い続けることができません。

DDNSでは専用のクライアントソフトなどがIPアドレスを監視し、変更が発生すると即座にDNSサーバに通知してドメイン名に対応付けるIPアドレスを更新します。これにより、外部からそのドメイン名への問い合わせがあると、DNSサーバは常に最新のIPアドレスを応答することができます。

Dynamic Domain Name Systemの仕組み

3.ルーターのポート転送(ポートフォワーディング)とは

フレッツ光のようなインターネット接続サービスに加入してホームネットワークを構成している場合、実際にインターネットで通信するためのIPアドレスは自宅に設置したルーター機器(ホームゲートウェイやWi-Fiルーター)に設定され、自宅内の機器(ローカルネットワーク機器)にはローカルIPアドレスが設定されます。ルーター機器がインターネット側のIPアドレスとローカルIPアドレスの相互変換を行い、自宅内の機器とインターネットとの通信を司ります。
通常、ローカル機器→インターネット側へのアクセスはできますが、逆(インターネット側→ローカル機器)へのアクセスはできません。しかし、自宅内のローカルネットワークに設置したSynology NASにインターネット側の機器からアクセスしたいので、これを出来るようにする設定が「ルーターのポート転送(ポートフォワーディング)」です。

ルーターのポート転送(ポートフォワーディング)

4.Synology NASのインターネットアクセス手段について

Synology NASをインターネットからアクセスする手段としてはDDNS(Dynamic DNS)以外にQuickConnectというSynology社の転送サーバを経由してアクセスする手段があります。

各々の接続方式の特徴は以下の通りです。

項目QuickConnectDDNS
接続方式Synologyの転送サーバ経由で接続Synologyの転送サーバを介さず直接接続
ルーター設定不要または簡単設定必要
転送速度遅い(Synologyの転送サーバ次第)早い
制約あり(使用可能な機能が限定)なし

QuickConnectを設定してインターネットからアクセスする手順についてはこちらで紹介しておりますので、こちらも参考にしてみてください。

参考 QuickConnectを設定してインターネットからアクセスする手順を紹介した記事

それでは、以下にSynologyが提供するDDNSサービスを設定してNASをインターネットからアクセス可能とする手順について紹介します。

設定には、Synology NAS側の設定と、ルーター機器(ホームゲートウェイやWi-Fiルーター)側の設定の2つを実施する必要があります。

5.Synology NASでのDDNSの設定

Synology NASのDSMコンソールにブラウザでログインします。

コントロールパネル]>[外部アクセス]>[DDNS]の順に進みます。

追加」を選択します。

ダイアログボックスに以下の内容を入力します。

  • サービス プロバイダ:サービスプロバイダを選択します。Synology のDDNSサービスを使用するため、ドロップダウン メニューから [Synology] を選択します。
  • ホスト名:DDNS ホスト名 (example123.synology.me など)を入力します。前半は自分で設定したいホスト名部分後半はSynologyが管理しているドメインとなります。
  • テスト接続:入力したホスト名が使用可能か確認します。すでにホスト名が使用されていた場合はエラーとなります。エラーが出ない名前を探す必要があります。
  • ステータス:ステータスが正常になればOKです。
  • Let's Encrypt から証明書を取得して、デフォルトの証明書として設定する:このチェックボックスをチェックして、Synology DDNS の Let's Encrypt SSL 証明書を適用し、DSM のデフォルト証明書として設定します。
  • 有効Hearbeat:チェックしおくと接続が停止した際にSynologyから通知が来るとのことです。ONにしておきます。

すべて入力したら[OK]をクリックして設定を保存します。

設定が完了したら、取得したドメイン名(URL)で自宅ルータまで到達できるようになります。

6.ルーターのポート転送(ポートフォワーディング)設定

自宅ルータまで到達したアクセスをNASに転送するようにルーターの設定を行います。

ルーターの設定は、NASで動作させるアプリケーションを追加するたびに順次追加する必要があります。

我が家のネットワーク構成図(2021.12.08時点)

参考までに、我が家で設定しているアプリケーションのポート番号と、DSMでの設定の関連個所の一覧を記載します。

アプリケーションプロトコルポート番号DSM関連個所備考
DSM(HTTP接続)TCP5000コントロールパネル]>[ログインポータル]>[DSMHTTP接続は使用しない方針(HTTP接続をDSMデスクトップ用のHTTPSに自動リダイレクトしますにチェックを入れる)
DSM(HTTPS接続)TCP5001コントロールパネル]>[ログインポータル]>[DSM-
Web(HTTP接続)TCP80メインメニュー]>[Wev Station]-
Web(HTTPS接続)TCP443メインメニュー]>[Wev Station]-
WebDAV(HTTPS接続)TCP5006メインメニュー]>[WebDAV Server]HTTP接続は使用しない方針(HTTPを有効にするにチェックを入れない)
VPN(L2TP/IPSec)UDP500メインメニュー]>[VPN Server]PPTPはセキュリティが弱いため使用しない方針
VPN(L2TP/IPSec)UDP1701メインメニュー]>[VPN Server]PPTPはセキュリティが弱いため使用しない方針
VPN(L2TP/IPSec)UDP4500メインメニュー]>[VPN Server]PPTPはセキュリティが弱いため使用しない方針

我が家ではSonet光を契約しており、ルーターはNTTの「PR-500KI」を使用しています。

このルータでのポートフォワーディング設定は[詳細設定]>[静的IPマスカレード設定]から行います。

上記メニュー画面で、プロトコル、ポート番号と宛先IPアドレス(NASに設定したIPアドレス)を登録していきます。

この設定をいれることで、インターネットから、URL(ドメイン名)+ポート番号で、NASの各アプリケーションにアクセスできるようになります。

7.フレッツ光(V6プラス)を使っている場合

フレッツ光(V6プラス)はその仕組み上、DDNS機能を設定してSynology NASをインターネットからアクセス可能とする用途には向きません。

その理由と対処方法については以下の記事で紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

参考 「V6プラス」(IPoE方式でのIPv4通信) を無効にする設定方法を紹介した記事

8.内向きDDNSの設定

ローカル機器からDDNSで設定したドメイン名でSynology NASへの名前解決を行う場合、内向きDNSの設定が必要となります。

こちらの記事で紹介しています。

参考 Synolog NAS 内向きDNSの設定

9.セキュリティ対策

インターネットからSynology NASをアクセス可能にすると、悪意ある第三者からの不正アクセスのリスクが発生します。

不正アクセスの結果、NASに侵入されると、NASに保管している大事な情報を奪われたり、破壊されたりする被害が発生します。また、NASに悪意あるプログラムをインストールされて、別の不正アクセスの道具とされたりと、知らない間に不正アクセスの加害者にされてしまうかもしれません。

そのようなことにならないよう、NASをインターネットからアクセス可能とする場合は、合わせてセキュリティ対策も万全にしておく必要があります。

セキュリティ対策として以下の記事を紹介しています。

参考 Synology NAS firewallの設定

参考 Synology NAS 2要素認証によるセキュリティ強化設定

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